築地松:出雲市灘分町の稲田さんを取材しました
2024年7月に島根県出雲市灘分町にある稲田邸の築地松について取材しました。
案内してくださったのは、ついじまつ案内人の稲田さんです。
美しい築地松の風景
出雲平野に広がる築地松の風景は本当に美しいです。築地松はかつてどの家にも見られるものでしたが、今では珍しく貴重な存在となっています。
築地松の歴史と現状
稲田さんによると、2022〜2023年に松くい虫の被害で半分ほどの築地松が枯れてしまったそうです。特に斐川地区よりも大社地区や平田地区での被害が大きかったとのこと。風向きの関係かもしれませんね。
実は、築地松は防風だけでなく、水害対策としても重要な役割を果たしていました。斐伊川の河口に位置するため、大雨が降るとすぐに家が浸水してしまう地域だったそうです。築地松がなかった時代は、洪水で家が流されることもあったと聞いて驚きました。
築地松の歴史的背景
最初は柳や実がなる木を植えていたものの、江戸時代後期から明治・大正時代にかけて黒松が使われるようになりました。なぜ黒松が選ばれたのかは、文献がなく不明だそうです。
築地松と観光
築地松は外国人観光客にも人気が出るのではないかと思い、稲田さんに伺ってみました。外国人観光客が来ることに対して嫌がる人はいないそうです。しかし、維持には費用がかかるため、現在は県や市の補助金を受けているとのことです。
新たな観光提案
稲田さんは、築地松を観光資源として活用することにも前向きです。イギリスのブリティッシュガーデンのように、築地松を見てもらう観光も提案できるかもしれません。ウェブ予約システムを導入し、ガイドツアーを提供するのも一案です。
地元の日常を観光客の非日常に
“地元の日常が観光客の非日常” これをどう地域の観光資源にするかが鍵です。稲田さんのように山林樹苗を生産している方々がガイドをすることで、地域の魅力を深く知ってもらえるでしょう。
築地松のライトアップ
令和2年には、出雲市主催で築地松のライトアップが行われました。1軒だけでなく、複数の家がライトアップされることで、より美しい景観が楽しめました。ただし、準備には多くの課題がありました。
今後の展望
今後は、東京のはとバスのように、ホテルや駅からお客様を迎えに行くバスツアーやタクシーツアー、自転車ツアーなども考えられます。観光料をいただいて築地松を見学してもらい、その場で地元の食材を楽しむ体験も提供できれば素敵です。
親子で築地松を学ぶ
ちょうどこの取材の時期、私の子供が地域学習で築地松について調べていました。親子で共通の話題ができ、築地松について一緒に学ぶことで、私としても取材を通じて郷土愛が深まりました。美しい出雲の伝統的な築地松の景色を子供たちにも伝え、歴史を繋いでいけたらいいなと思いました。
出雲市としても、築地松を観光資源として活用するための新たなガイドの発掘や、稲田さんのようなボランティアガイドの支援が必要だと感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!ぜひ、出雲市の築地松を訪れてみてくださいね。
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